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やはり「後房鼓震篋篋」がよくわかりませんでした。

「篋篋」は大漢和辞典では「狭く長いようす」となっています。 ただ、前に出てきたところだと「後房鼓震篋篋有鍜工」となってたのが、ここの公孫聖の台詞だと「後房鼓震篋篋者坐太息也」となってるので、これだと音の響きを表しているようにも思えます。
ですが、「篋篋」にそういう使い方があるのかはわかりません。
「有鍜工」も意味がとれないのですが、公孫聖の台詞ではこの3文字がないことを考えると、原文に誤りがあるのかもしれません。
一応大漢和辞典にしたがって訳しておきましたが、いまいち意味が通らないです。

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越絶書「拂勝則社稷固、諛勝則社稷危」

「拂」の意味が取りにくくて、「実際に勝っていないのに買ったような気持ちになっている、その気持ちをぬぐい去る」のような意味かと思って、「優位をぬぐい去れば社稷は堅固になり、優位におもねれば社稷は危うくなります」と訳しました。

しかし、「拂」を「輔」のことと解してその後の「諛」と対比させるという解釈もありました(『越絶書校釋』)それだと拂は伍子胥、諛は伯嚭を暗示していることになります。

どちらに解すべきか今は判断が付きません。
もしかしたらサイトにまとめるときに修正するかもしれません。

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越絶書「今越王為吾浦伏約辞」

「浦伏」の意味がわかりませんでした。
「約辞」については『國語」の韋昭注に「約卑也」とありますので、「言葉を卑くする」という意味でいいと思います。

「浦」がちょっとわかりません。続く文字が「伏」なので、おそらく身を伏せてへりくだってるとかそういう意味だと思うんですが…

とりあえず「今越王は我々のために身を低くして辞を卑くし」と訳しておきました。

 

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『呉越春秋』夫差の夢についての記述です。

原文「後房鼓震篋篋有鍜工」

訳せなかったので、こんな妙な訳になっています

「後ろの部屋には鼓が鳴り響き狭く長く鍜工があり」

注釈書などを見ますと「鼓震」を「鼓橐」の誤りではないかとしていて、鼓震だと「つづみがなりひびく」ですが、鼓橐だと「ふいごをあふる。火勢を盛んにする」(大漢和辞典)になります。

また「篋篋」については音声を表しているという解釈がありますが、大漢和辞典ですと「狭く長いようす」となっています。

「鍜工」については「鍛工」としている訳本もありますが、自分の持っているテキストでは「鍛」ではなく「鍜」なので、これもちょっと意味がわからない。

この夫差の夢についての言及はこの先にも数カ所出てきますので、先を読んで文脈から何かわかるようでしたら修正したいと思います。

 

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呉越春秋「修兵伏卒以待之」
史記「修兵休卒以待之」

呉越春秋の記述にしたがって「卒を待ち伏せさせて」と訳してみましたが、史記では「伏」が「休」になっています。

こういう場合は史記が「休」であるから呉越春秋の「伏」は「休」のまちがいで、「兵を休ませ」と訳すべきなのか、そのあたりの判断がいまだによくわかりません。

原則として、明らかな人名・地名の間違い、衍字などでなければ、原文どおりに訳しています。