考察

呉越春秋巻第九 勾踐陰謀外伝

「願王請糴以入其意」

『史記』越王句踐世家では「請試嘗之貸粟以卜其事」となっています。

「入」を「卜」に読み替えて「その意を判断して下さい」と訳しています。

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コミティア新刊の仕様決定

コミティアの新刊について、台割が決定しました。

第一巻への収録は1~3話まで、表紙込み84ページ、A5サイズです。

旧作と同じように、表紙はマットPP加工、本文は白系のコミック紙にする予定です。
装丁はもう少し凝ろうかとも思ったのですが、今後シリーズ物として続刊を何冊か出すであろうことを考えると、汎用性のある仕様にすることにしました。
特徴的な用紙を使って、途中で廃番になったりしたらめんどうですしね。
もともとマットPPは好きな仕様ですので、いい感じに仕上がればいいなと思っています。

 

2話まではすでにサイトに公開しているものを一部加筆修正して収録します。
現在制作中の第3話は、范さんの少年時代の回想を中心とする番外編的な回です。こちらはサイトでの公開はなく同人誌版のみの収録となります。
4話からはまたサイトで公開しますが、3話は番外編的な位置づけなので、メインのストーリーは追えますのでご安心ください。

 

建物の3D作った

第三話の作画補助として、建物関連の3Dを作りました。

家とか門とか塀とかです。
ただ、ちゃんと復元資料を見ながら作った戦車と違って、かなり適当です。

https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=2146661

 

春秋時代の建物は建材の一部が発見されていますが、建物そのものは残っていません。
いちおう中国建築の資料は見ましたが、私は建築の知識はほとんどないので、建物の構造として成り立つのか、重心はこれでいいのか…とかさっぱりわかりませんし、参考にした資料も1000年単位で時代が違ってたりして……

 

まあ、「なんとなくそれっぽいのを作ってみました」というやつです。

 

でも、クリスタに取り込んでざざっと加工してみると……

うん、なんとなく、それっぽいような気がする。

遠景の背景コマとかなら、画面を埋めるのに十分使えるんじゃない?と思ってます。

 

コミティアまであと1ヶ月を切りました。
久々の参加なので本当に楽しみです。

現在3話を制作中です。進捗やコミティア関連についてはまたあらためてお知らせします。

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「霸王の輔 呉越春秋異聞」第二話を公開しました。

第一話からちょっとトーンダウンして、今回は舞台背景というか、状況説明が多めになりました。
「臥薪嘗胆」とか「同病相憐れむ」などの言葉は知られていても、「春秋時代の呉越」というのは、一部の方をのぞいてそれほど馴染みのない題材かもしれません。

とりあえず、

「昔の中国の片隅に呉と越という小さな国があった」
「その西のほうに楚というでっかい国があって呉と楚は対立していた」
これだけ押さえていただければ大丈夫です!

 

今回描きたかったのは、こーせん様のこの台詞

「空の器」というのはちょっと抽象的な表現になってしまいましたが…(ちなみに「そらのうつわ」ではなく「空の器」です、念のため)

「国という大きな存在が宿るための依代」のような意味で使っています。つまり、個人の意志を超えて「国の使命」を受け入れる容れ物です。

生まれながらに太子であり、個人としての自己をあえて消すことで、「越の王」として生きることを選んでいるこーせん様。
他人に意思を奪われ、空になってしまった范さんとは、まったく違う「空の自分」です。

この出会いが、范さんにどんな影響を与えるのか――
これから少しずつ、描いていきたいと思います。

 

次回について

次回三話は、コミティアに間に合わせるために短めのページ数で描くつもりでしたが、范さんの過去を掘り下げた番外編的なエピソードが浮かんだので、そちらを描こうと思っています。

こちらは同人誌版のみの収録となります。
(Web掲載はありません)

コミティア関連の情報は追ってお知らせいたします。

イベント,Blog,お知らせ

申し込んでいたCOMITA152のスペースが決まりましたのでご案内します。
6月1日、東京ビッグサイト東2ホール す40b「白川」
歴史島です。

今回は募集数を大幅に上回る申し込みがあり、抽選になってしまったので、どうなるかと思っていましたが、無事にスペースをいただくことができました。ありがたいことです。

『霸王の輔 呉越春秋異聞』1巻の発行を予定しています。
以前にもご説明したとおり、旧作をリメイクした新作になります。

内容は、すでに公開している1話、4月中に公開予定の2話は確実に収録する予定です。そのあともう1話ぐらいは入れたく、スケジュールの面も考慮して3話は少し短めにまとめ、1~3話を収録するという形になるかと思います。

基本的にはweb再録となりますが、同人誌版はweb版と違ってウォーターマークは入っていません。また、一部表現がweb版と異なります。

詳細については、イベント前に改めてご案内させていただきます。
どうぞよろしくお願いします。

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第一話を公開しました

3月20日に「霸王の輔 呉越春秋異聞」第一話を公開しました。

当初の予定ではもっと早く、2月には公開するつもりでした。仕事の原稿ではないので、合間にイラストや小ネタ漫画などを投稿しつつ、気楽に描いていこうと思っていたのですが、なかなか予定通りにはいきませんね。
2月初めにインコさんのことがあって、しばらくしょんぼりしていたのが一番の原因ではあるのですが、目の前に描くべき原稿があるということで、意外と早く立ち直れたかもしれません。

これまで描いてきた旧作を中断して、新しくリメイク版を作ることにした経緯は以前の記事にも書かせていただきました。今までの作品を追って下さった読者の方には大変申し訳ないのですが、今後は新作をがんばって描いていきますので、どうぞよろしくお願いします。

 

作品の方向性自体は旧作から変わらず「親の支配からの脱却」が重要なテーマの一つとなっています。
旧作を描いていた当時は私自身もまだその問題について整理がついていませんでした。

いま、改めて物語を構成しなおし、初回は旧作とはかなり違った展開となりました。
范さんの置かれている状況はあえて単純化し、「長年身近な人に否定され続けたせいで極端に自己評価が低い」という彼のキャラクターを以前よりは端的に、わかりやすく表現できたのではないか…できてたらいいな…と思っています。

他者からの否定といっても、彼の場合は罵倒されたり暴力を振るわれたりといった、わかりやすい否定をされてきたわけではなく、外部から見ればむしろ恵まれているほうかもしれません。
ただ、幼少期から「どんなにがんばっても決して認めてもらえずもっと上を目指せと言われ続ける」という環境に置かれ、結果的に「現状の自分を常に否定される」という状況が長年続き、それが彼の人格形成に暗い影を落としています。
いい年をして精神的に自立できずぐだぐだしてる割に頭は切れるという設定ですので、主人公のくせにけっこう陰湿でやなヤツです。こんな主人公ですが徐々に変わっていくはずですのでどうぞよろしくお願いします。

范さんの抱えている悩みは、共感してもらえる方とそうでない方とに分かれてかれてしまうとは思いますが、もし刺さる方がいれば一緒に彼の成長を追っていってくださると嬉しいです。

 

 

今回は初めて自作3Dを使用した原稿となりました。
CLIP STUDIO ASSETSに公開している戦車や戈のほか、車蓋付きの馬車・剣・燭台・ローテーブルなどを使用してます。あと、句踐様のいる天幕もアタリ用の骨組みだけ作ってそれに合わせて作画しました。

Blenderで3D制作を本格的に始めたのは今年に入ってからですが、作画補助ツールとしてはかなり強力なものだと感じています。

ASSETSで公開せずに自分だけで使う分には多少いい加減なモデルでもいいので、シーンに合わせて自分で作れるようになったのは大きいです。まだまだ初心者なのでたいしたものは作れませんが、Blenderは始めて良かったなと感じています。

 

 

漫画の掲載にあたって、
「なんかいい感じのマンガビューア~slick-custom~」
https://guardian.bona.jp/st/cv/
というビューアを利用させていただきました。
これ、設置がものすごく簡単でした。ありがとうございます!
私の環境のせいかもしれないですが、スマホ表示だと最後の「もう一度見る」ボタンが効いたり効かなかったりするようです…漫画の閲覧そのものには問題ないですが、原因がわかったら対処させていただきます。

 

web掲載版と同人誌版について

今回webにアップした漫画はGlaze(画像保護)を強めにかけ、さらに全面にウォーターマークを重ねています。
元画像はグレースケールで書き出したのですが、Glazeをかけるとちょっとピンク色っぽいもやもやが出るみたいです。また、流血シーンなどはweb版用に少し控えめな表現に変更しています。

いずれ同人誌に再録する予定ですが、その際はweb版向けの修正がないものになります。
有料頒布となる同人誌版と差別化するため、web版はあえて低画質にしています。ご了承ください。

 

今後の予定

6月のコミティア152に申し込んでいます。
ただ、募集4500に対し申し込みサークルは約6200で、抽選になるそうです。
おそらく募集数よりは多めに詰め込んでもらえるとは思いますが、今のところはどうなるかわからず、当落待ちの状況です。
結果がわかり次第、またお知らせしたいと思います。

 

第二話の公開は4月を予定しています。
どうぞよろしくお願いします。