少年ジャンプ+で、読み切り作品『管仲と鮑叔』を描かせていただきました。

『史記』斉太公世家に書かれている、斉の桓公即位にまつわるエピソードを描いたものです。
魯聞無知死亦發兵送公子糾而使管仲別將兵遮莒道射中小白帶鉤。小白詳死管仲使人馳報魯魯送糾者行益遲六日至齊則小白已入高傒立之是為桓公。桓公之中鉤詳死以誤管仲已而載溫車中馳行亦有高國內應故得先入立。
「亡命していた小白と糾の二人の公子、どちらか先に臨淄に戻った方が即位する流れになった。管仲が小白を妨害するため矢を放つと、小白の帯留めに当たった。そこで鮑叔は小白が死んだことにして葬列を装った。小白が死んだと思った管仲・糾側は油断してのろのろ進んだ。臨淄に着いたら小白が六日前に入城してすでに即位していた」というものです。
本作ではそれをかなり捏造脚色して、ぎりぎりまで管仲と鮑叔が争ったという展開にしています。
中国の歴史書というのはドラマ仕立てになってることが多く、そういうドラマ部分が必ずしも実際にあったことだとは限りません。個人的には、上記の葬列云々も史実ではなかった可能性が高いと考えています。
ただ非常に印象的なエピソードであり、ここを切り取って読み切り漫画にしたら面白いのではと思い、題材として選択しました。
長編であれば管仲と鮑叔の交流は時系列で描くところ、今回は読み切り作品ということでふたりの過去は回想シーンとして何カ所かに分けてねじ込むことになりました。
これがなかなか難しくて、担当編集者さんと何度も打ち合わせを重ね、どうにか形にしたのですが…。スムーズに読める構成になっていればいいな、と思っています。
管仲と鮑叔の過去は不明な点も多く、本作オリジナルの割合が多くなっています。
当時の名前の呼び方とかもいろいろあるのですが、読者の混乱を避けるためわかりやすく管仲・鮑叔・小白・糾に統一しています。
管仲と鮑叔、そして糾と小白、四人のそれぞれの葛藤、成長を描いた人間ドラマとして楽しんでいただけたら嬉しいです。

没絵供養 臨淄遠景
