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范蠡という人は『左伝』には登場しません。

文献に登場するのは戦国期以降になります。
出身についても諸説あり、呉に来奔したいきさつが詳しく語られる伍子胥や伯嚭などと比べると、どうもはっきりしません。おそらく、それほど名門の出ではなかったと思われます。

戦国期になると、たとえば『墨子』にはこのような形で出てきます。

齊桓染於管仲・鮑叔、晉文染於舅犯・高偃、楚莊染於孫叔・沈尹、吳闔閭染於伍員・文義、越句踐染於范蠡・大夫種。此五君所染當、故霸諸侯、功名傅於後世。
(『墨子』所染)

斉の桓公は管仲・鮑叔に染まり、晋の文公は舅犯・高偃に染まり、楚の荘王は孫叔・沈尹に染まり、呉の闔廬は呉員・文義に染まり、越の句踐は范蠡・大夫種に染まった。この五君の染まるところは適切だったので、故に諸侯に覇し、功名は後世に伝わった。

 

『墨子』が成立した頃(前四世紀末以降?)には、句踐が五霸の一人として数えられるようになり、范蠡もそれを助けた功臣として認識されるようになっていたようです。

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先日出した本のタイトルが「スイ李之戦」なんですが、史料ではこういうふうに描写されています。

吳伐越,越子句踐禦之,陳于檇李。句踐患吳之整也,使死士再禽焉,不動。使罪人三行,屬劍於頸,而辭曰:「二君有治,臣奸旗鼓。不敏於君之行前,不敢逃刑,敢歸死。」遂自剄也。師屬之目,越子因而伐之,大敗之。靈姑浮以戈擊闔廬,闔廬傷將指,取其一屨。還,卒於陘,去檇李七里。(春秋左伝 定公十四年)

呉が越を伐った。越王句踐は、これを禦いで、スイ李に陣をはった。句踐は、呉軍が整然としているのを患いて、決死の士を二回やって呉の兵を擒にしたが、呉軍は動じなかった。句踐は罪人を三列にして行かせて首に剣をあてさせ、言った
「呉・越の二君が戦争するにあたり、我々は軍令を犯し、君主の軍行の先頭でよろしくないことをした。あえて刑を逃れず、死んでみせましょう」
ついに自ら首をはねた。呉軍はこれを見ていた。越王はそこで呉軍を伐ち、大いにこれを敗った。靈姑浮は戈で闔廬に撃ちかかり、闔廬は足の親指に傷を負い、靈姑浮は闔廬の靴の片方を取った。闔閭は引き返して、陘で死んだ。檇李を去ること七里だった。

 

細かい解釈の違いはありますが、だいたい意味はこんな感じです。
描写は比較的シンプルで、「決死の士を行かせた」「罪人に首をはねさせた」「靈姑浮が闔廬の足に負傷させた」という三点です。
ドラマなどでは「罪人に首をはねさせた」というあたりを強調されることが多いようです。

ただ、うちの作品ではこの部分は省いてしまいました。
敵の前で首をはねて相手を威嚇する、という事例は他の史料にも出てきますので、当時わりと普通に行われていたことかもしれません。
ただ、私としては、「自分がこの罪人だったらそのまま敵に寝返るよなー」と思ったのと、作中では比較的国力のある呉に対して、越は辺境の小国、句踐も即位したばかりで立場が不安定、という流れになっていましたので、拙作における句踐は、この時点では大勢の人間を自決させることができるような強大な権力は持っていないのです。

それと、今回は夫差と范蠡の出会いをまず第一に描こうと思いましたので、この二人を出すためにかなりオリジナルな展開になりました。
靈姑浮が闔廬に負傷させるところも、演出上弓矢を使っています。

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引き続きネーム中です。

明日からは、表紙に取りかかると思います。この週末を利用して、できるだけ進めておきたいです。

集中していかないと!

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引き続き、ネーム中です。

どうも、ページを詰めるのは無理っぽいので、44ページ本(本文40ページ)になりそうです。

プロット段階では38ページなのですが、奥付をいれても1ページ余裕があるので、大ゴマを入れて39ページ描くかもしれません。

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今日からネームに入りました。
ネームと言っても、コミックスタジオのページに、ワープロで打った台詞をぺたぺたとはって、コマ割りをざっくりする程度です。ページによっては絵も入れますが、本当にざっくり。

2月中にネームと表紙を終えて、3月から本文の作画に入りたいです。

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引き続きプロット中です。
一応、最後まで話は作ってみて、ページ割り振りをしてみました。
32ページに収めたかったのですが、やってみたら38ページになりそうな感じです。

明日以降、コミックスタジオに台詞を移していきますが、ページを詰めるのは難しいかもしれないです。腹を決めて38ページ描くかもしれません。

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5月原稿のプロット作成中です。
ワープロで、台詞をばーっと書き出します。一応、ラストまでできました。
あとは、これにページを割り振っていきます。
32ページでまとめたいと思っています。
タイトルは「無窮蒼」、夫差の少年時代を描いた作品です。
5巻で出てきた残念なお兄さんや、伍子胥も出てきます。
 

更新履歴

『國語』呉語
『越絶書』外伝本事 日本語訳を公開しました。

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COMITIAで新刊のおまけとして配布したチョコに同封した漫画です。
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イベント

COMITIA107ありがとうございました。

本を手にとって下さった方、声をかけて下さった方、差し入れを下さった方、とても嬉しかったです。

もしお心当たりの方がいらっしゃったらお知らせいただきたいのですが、もしかしたらお釣りを間違えてお渡ししてしまったかもしれません。
白川が不在の時に、お友達が売り子をしてくれていたのですが、本を購入して下さった方が、何か戸惑っているような様子だったのを、あとになって思い出した、ということでした。たまたまそうだっただけならいいのですが、万が一間違った本をお渡ししたり、お釣りの金額を間違えていたということでしたら、このサイト下部の「お問い合わせ」フォームなどからお知らせ下さい。「女性の方で、髪は黒くてセミロングくらい、センターわけっぽい感じで後ろ一つに結いていたかも」ということでした。いろいろと不手際があり申し訳ありませんでした。

次回以降のイベント参加ですが、5月のCOMITIA108と、11月のCOMITIA110に参加しようと思っています。コミケは当選したら出る、という感じで。
どうぞよろしくお願いします。